千年の歴史をあなたのお家へ
備前焼体験はどこでもできます

土づくり 千年の歴史をあなたのお家へ

土はなんと言っても備前焼の生命です。
「釉薬(うわぐすり)」かけない備前焼は土の良否が作品の良否をかなりの部分で決定すると言っても決して過言ではなりません。作品を作り、そのまま十分乾燥して
から窯へ入れ、松割木を使って焼き上げ、一切釉薬を備前焼は土の味がそのまま作品の味となる焼き物です。詰まり、備前焼ほど、土を吟味し、大事にする焼き物は他にありません。
備前焼の土はいくつかの工程を経てはじめて、「備前焼」の土となります
備前焼は岡山県和気郡備前町伊部で始められ、1000年の間、脈々と受け継がれてきました。
その間一貫して「釉薬」をを使わず「裸の土の味わい」を生かしてきた歴史のある焼き物です。
近年ではイサムノグチ、魯山人をはじめとする内外の著名な陶芸家達に愛され、広く全国で知られるようなりました。

陶土の地層

陶土採掘は冬の農閑期にたんぼの上土を取り除き陶土層を露出させます

陶土の採掘

手掘りで陶土層を崩さぬように切り取ります

搬入

注文した陶芸家の元へダンプカーで運ばれてきます。
トン単位で注文をします。

乾燥前の土

採掘陶土の断面

掘りたての陶土は生なましく塊は水分を含んでいます
その断面は金属質などが分離した状態で固まっているのが分かります
備前地域でも掘る場所によって各々違いがあります。

陶土の選別

乾燥させた陶土は制作する作品によって荒さを違えるため3~4段階(大荒、荒、中、細)目で確認しながら選別します。
食器の中でも口にあてる湯呑などはなるべく滑らかな土が必要です。
この作業が作家の個性を決める要素のひとつになります。

陶土の粉砕

選別した陶土を木槌で叩きながら細かく粉砕します。
動力の粉砕機を使用せず手で叩くのは陶土の塊の中に含まれる石を砕いてしまわないようにするためです。この作業も土の質感を決める重要な要素のひとつです。

粉砕された陶土

いち日をかけて砕き終える土の量はわずかです。
種類別に各々砕き終えた陶土は識別の札を付けストックしておきます。

泥漿作り

泥漿(でいしょう)作り、粉砕した陶土を水に浸します
陶土に水分が十分含むまで一週間程浸します

泥漿の乾燥

充分に水分の含んだ泥漿を素焼きの「土べ鉢」に布を敷き流し込みます

泥漿の乾燥 二

土べ鉢に流し込んだ泥漿の乾燥具合を確認しながら、程よいところで取り出しビニール袋に入れてストックします。

小石の除去

泥漿の乾燥によってできた土の塊を細い針金で薄くスライスします。
指の感覚で小石を取り除きます

小石の除去 二

小物用の土はとりわけ注意深く石を見つけ出し取り除きます。特に液体を入れる器は石ハゼが出来、そこから水が漏れてしますことがあるので厳重にします。

完成

以上の作業を経て、ひと先ずは作品制作の土が出来上がります。